株式会社コスモピア


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第3回 世界でひとつだけのおくりもの / LUCK*CHUCK デザイナー 半谷桜子さん


「子どもは子どもというだけで可愛いから、過剰に可愛さを強調したデザインにはしたくない」と言う半谷桜子さんは、オリジナルの子供服をインターネットで販売する【LUCK*CHUCK】(ラックチャック)のデザイナー兼経営者。

名前・誕生日・出生体重などをさりげなくデザインに盛り込み仕上げることにより、「大事なあなたのために世界でひとつだけの贈り物」を演出する。きっかけは、出産祝いにもらった子ども用Tシャツ。名前が手描きでさりげなくデザインされていたことに感激し、オリジナルの商品化を思いついた。

主要なアイテムは赤ちゃん用のロンパース(上下つながった服)やTシャツ、タオルのほか、同じデザインで大人用Tシャツやトートバッグ、ノートなど。日常的に「ガシガシ使えてジャブジャブ洗える」よう、素材もプリントも厳選した。


「手にしたお母さんたちにハッピーになってほしいから」と育児ママの気持ちに寄り添って商品開発する彼女は、可愛い盛りの2歳児の母である。

開店したばかりの【LUCK*CHUCK】を知らなくても、【SACRASAC】(サクラサク)のENDLESS BAGを発案したデザイナーと言えば、知る人ぞ知る桜子さん。


ENDLESS BAGとは、多色のパーツをファスナーで組み合わせることで、自由自在にデザインや大きさを変えられるトートバッグ(左の写真で壁にかかっているバッグ)。そのデザイン性と機能性の高さが評価され、六本木ヒルズをはじめ国内外のミュージアムショップで販売された。

2004年には、彼女がかつて影響を受けたという大好きなニューヨークの、MoMA(近代美術館)のグッズとして600人という審査員の眼を通過し採択。日本人として初めてカタログ裏表紙にカラー掲載され、NewYorkTimesにも取り上げられた。順風満帆と思われた彼女はしかし、2005年の妊娠を機にデザイナーの仕事から身を引く。

「売れれば売れるほど、自分の目指すブランドではなくなっていくようで。ちょうどその頃つわりが重くて入院し、このままでは育児も仕事も楽しめなくなると感じました」。そして難産の末、感動的な出産。ヒトが生まれてくることの素晴らしさを形にして表現したい。そんな思いが、デザイナーとしての彼女を再び甦らせたのだった。

「使ってくれる人に喜ばれる物を作りたい」。彼女のデザインの根源は、ものづくりの真髄につながる。品物を受け取ったときのワクワク感、使っているときの安心感、さらに子どもが大きくなって使い終わった後の再加工も考えているという。

「出産を経験して変わったことと言えば、環境のことを考えるようになったこと」。商品に環境についてのメッセージとエコバッグを添えたり、外出時にオムツや着替えを入れられるようなビニールバッグでラッピングしたり。彼女の発想にはムダがなく、クチコミやリピーターで確実に顧客は増えている。


──発想のために心がけていることは?
「これはもうクセと言うか無意識なのですが、スーパーでお菓子を手にしていても、このデザインでこのネーミングなのはなぜ?とか、この棚の商品のターゲットは?とか、いつも考えてしまいます」。

あらゆる物は、誰かの意匠。特別な場所に行かなくても、日用品のパッケージや店の看板が、シャワーのように彼女の脳を刺激する。「育児も楽しみたいし、子どもももっと欲しいし・・・」自然体が生み出す商品のファンは、ますます増えていくだろう。


半谷 桜子(ハンガイ サクラコ)さん プロフィール
1974年横須賀生まれ。デザイン事務所等を経て、1999年ニューヨークで8カ月間「遊学」後、フリーデザイナーとしてユナイテッドアローズやSHIPS等のTシャツデザインを手がける。2003年【SACRASAC】ENDLESS BAGが国内外のミュージアムショップで大ヒットし、2004年にはMoMA(ニューヨーク近代美術館)で発売。出産のため一時仕事を離れるが、2007年株式会社ハッピーストライクを設立し、【LUCK*CHUCK】をネットに開店。日経WOMAN「ウーマンオブザイヤー2005キャリアクリエイティブ部門」受賞、第46回かわさき起業家オーディション ビジネス・アイデアシーズ市場「かわさき起業家大賞(川崎市長賞)」受賞。
【LUCK*CHUCK】ホームページ


 インタビュアー プロフィール


田子みどり

1960年山口県生まれ。早稲田大学在学中に起業、卒業とともに科学プロダクション(株)コスモピアを設立し社長に就任。科学技術の普及に女性の能力や感性を活かすことを目指す。社団法人関東ニュービジネス協議会副会長。


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